【売却(査定)編:後悔しない、失敗しないためのアドバイス】
【自宅を売るときはまず査定価格を調べましょう】
➣大切な不動産を手放す際、どの不動産会社に依頼すればいいの?まずは何から行動したらいいの?
①まずは不動産の価格(市場相場(マーケット)価格の事)を調べる必要があります。
よって『一括査定サイトがお勧めです』と一般の不動産会社はこう提案します。
しかし、ここに『落とし穴』があります。
確かに、複数社に無料で不動産の査定価格を調べてもらえるメリットはあります。
しかし、ふたを開けたらどうでしょう? まず驚くのは、各社バラバラの査定価格、そしてしつこい電話・メール営業の嵐。
100歩譲って、無料で査定価格を出してもらっているから、営業をかけてくるのは我慢できたとしても、実際に査定価格がばらばらでは、どうも理解に苦しみます。どうして不動産会社のプロが、各社こうも査定価格がバラバラなのでしょうか?
■疑問をもったことありませんか・・・■
【不動産の査定価格の算出方法は?】
➣不動産の査定方法について簡単にご説明いたします。
【大前提として・・・】
不動産の査定は、売り出してからおおよそ3か月以内に売却できるであろうという予想価格を算出します。よって不動産の鑑定評価でもなく、売却を保証するものでもありません。
【査定の算出方法】
➣〇取引事例法〇収益還元法〇原価法という3つの方法がございます。一般的に居住用の不動産(戸建・マンション・土地)については、取引事例法で査定するケースがほとんどです。
前回のブログでお話しましたが、不動産会社はレインズを活用し、競合物件や過去の成約事例など参考にお客様の大切な不動産の価格査定を行います。
【少なくても同じデータを活用しているのになぜ価格に開きがあるのか?】
※査定方法については、机上査定と訪問査定がございます。今回は机上査定の段階での説明です。
➣最近はAI査定が主流です・・・
AI査定を聞いたことはあると思います。今まで営業がレインズなど活用しマーケットを調べ『査定価格提案書』を数時間かけて作成してたのが、今の時代、業務の効率化など図る目的でAIが大切な不動産の推定価格を算出してくれます。(注:AI査定を用いていない会社も当然あります)
では、なぜ査定価格がバラバラなのか・・・
確かにレインズ(同じデータベース)をもとに行うわけですから、そんなに価格のばらつきは少ないようにも思えますが、取引事例法については、どの物件の成約事例と比較して、査定価格を算出するかによっても大幅に価格が変わるのです。詳細について説明が長くなりますので省略させて頂きますが、査定価格の算出については、様々な思惑があり、最後は営業又は上席の指示で、査定金額を決定している会社もあります。
お客様の大切な不動産の査定額を知りたいというリクエストより、売却する方向性が決定した場合の媒介契約取得目的で、査定価格を算出してくるのです。すべての不動産会社がそうではなく、例えば・・各社おおよそ、査定金額が4000万円前後なのに対して、1社だけ4500万~5000万円とか???
なぜ?こんなに高いの・・・
突き抜けて高い査定金額を提示する会社は要注意です。
よって裏付け(信ぴょう性)の確認が必要です。
「本当にその価格で売却する自信があるのか?」「あるいは査定の根拠に筋が通っているのか」も確認するべきです。
【不動産会社の狙い・・・ここが落とし穴です】
■お客様の心理をうまく利用する会社がある。
私はこう言いたいです。『ほめ殺し作戦』
※意図的に、実際の査定額より高い査定価格を提示して、お客様の気分をよくさせる作戦
1⃣ 例えば・・・5社に一括査定依頼をした場合なぜか数百万、数千万円の査定額の開きがある場合。
≪見分け方≫
■まず査定価格を他社よりも数段上の価格で提示してくる会社には要注意。
何度も言いますが、確かに売主様にとっては、不動産を一番高く評価してもらえる事は実にうれしいことです。気分もいいです。
〈でもそれに騙されてはいけません〉
そもそも高値売却とは、相場より高く売ることを目的とするのでなく、相場範囲の中での、高値売却を実現させることが、不動産会社や営業の手腕であって、その実績こそがお客様満足度につながります。
『👀ポイント』
各社の査定提案書を比較して、わかりやすく根拠が明確で納得感のある提案書(マーケットや季節要因なども考慮に入れている)、また売主様の要望を聞き入れ、販売時期やタイミング、スピード感など、ロードマップを通しての販売戦略などを提案してもらえる不動産会社(営業)を選択しましょう。
2⃣ やたら高い査定額を提示する会社の戦略的要素。
■不動産会社は一般的に、物元(媒介契約締結している不動産会社)の力関係が強いのが現状です。とりあえず売主様に高い価格を提示し、売主様の気分をよくさせ、その場の勢いで専任媒介契約の締結を進める作戦です。
『👀ポイント』
売却を依頼したところで・・・ 市場相場は決まっています。当然、買い手側も不動産を探す際にポータルサイトを通じ、相場感を把握しておりお買い得感のある物件を下調べし、興味ある不動産に問いあわせをします。
よってマーケットアウト(相場より高い売出価格)で売却活動を行っても、よほど希少価値のある不動産以外、問い合わせ数が少ないと予想されます。
※【ここも落とし穴です・・・裏側にある囲い込み戦略】
マーケットアウトした価格で売却を行えば、当然反響も少なく、また内見(案内)数も少ないので、確率的に売却が困難になる。あるいは内見(案内)はあるが、他の不動産の※あて物になる可能性もあり、長期間になればなるほど、大切な不動産の資産価値の低下につながる可能性があります。
※あて物・・・本命物件を成約するために、わざと引き立て役の物件を同時にご案内し、本命物件に誘導する営業手法です。
当初から販売戦略もなく査定価格を高値で提案する傾向の会社は、「問い合わせがありません」と言って、何度も何度も価格改定の提案のみ、そして最後は・・・・
『お客様みつかりましたよ』
『それも一般のお客様とそう変わらない価格です』
不動産買取り業者との売買契約を誘導してきます。≪これが囲い込み(両手契約)誘導戦略です。≫
3⃣ 売却をお願いする会社(営業)は、市場相場(マーケット)内での高値売却額を提示し追求する。ただただ追求するのでなく、売主様と不動産会社間で販売戦略やロードマップをしっかりと共有し、お客様ファーストで提案する会社(営業)がベストです。それと大事なことはマイナスポイントをしっかり伝えてくれて、想定される仮説などの話なども一緒に提案してくれたら更にベストです。
【まとめ】
私は、数多くの不動産査定の提案を経験致しました。確かに売主様に気に入ってもらえるよう、不動産の査定価格を高めに提示する、良い事ばっかり話して売主様に気に入ってもらえるよう努力する、仲介手数料をディスカウントするなど・・・他社とサービスなどの違いや差別化だけを促すなどの話は、正直好まず、直球勝負をして参りました。どういう事かと言いますと、訪問査定の際、買い手側の目線にたちメリット・デメリットを売主様にきちんと伝えそして仮説をたて、数多くの経験から培った、あらゆる引き出しからマーケット(査定)価格を算出し、査定額や売出提案価格、チャレンジ価格などを、忖度なく正直に提案させて頂きました。時には怒られたり、選んで頂けなかったりの悲しい経験も多々ありますが、ある売主様から頂いた言葉ですが、『自分も相場を把握しているつもりです。あなたの提案や戦略に共感を持ち、どんな営業の方よりあなたのことが一番信頼できます』と言ってくださったお客様の顔を、常に思い出し、ベストな販売戦略と早期・高値売却の実現を心掛けるようにしています。